2013年01月31日

認知症、Person-centered care

練馬区薬剤師会クリニカルカンファランスセミナーに出席しました。
中野正剛先生です。
認知症にまつわる医療や介護は、少しずつ進歩しています。

認知症とは、脳の器質的な障害によって、
記憶力や判断力、実行能力や会話能力など、いったん発達した機能が持続的に障害されて、
社会生活に支障を来たすようになった状態をいいます。
有病率は65才以上の約10%で、
認知症のうち、アルツハイマー型は50%、レビー小体型は20%、血管性10%、前頭側頭葉型10%です。

アルツハイマー型認知症はアミロイドβ蛋白の沈着が原因といわれます。
現在、根本的な治療薬が無いため、早期から服薬で進行抑制することが大切です。

認知症の診断方法として従来から用いられている
HDS-R(長谷川式)とMMSEはいずれも中等度以上の認知症に適しています。
初期の診断方法としては4単語を覚えるMISが推奨されます。

根本治療に向けて、PETによるアミロイドイメージング検査が開始されています。

認知症では、その人らしさが隠されてしまうと考えられ、
介護にあたっては、ご本人がその人らしく生活できるようにする、
Person-centered careが重要です。
互いの人間関係を温めることを通じ、
以前は周辺症状といわれた行動と心理の症状であるBPSDを軽減します。
BPSDは次のような事項で強くなります。
@ アルツハイマーや脳血管障害等による脳組織の変化
A 体調不調(脱水・低栄養・便秘・慢性疾患の悪化、急性の病気やケガ等)
B 環境や人間関係の変化(デイサービスや施設入居の初期・ヘルパーの交代等)
C 活動性が低いこと(寝たきりや閉じこもり)
D 本人にとって不快な状況(周囲の人の関わり方が適切ではない等)

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2012年02月26日

操体法

操体法の勉強に行きました。
半年シリーズの1回目です。

川名操体治療室

簡単な動きで、身体の緊張している部分を見つけて、
そこを緩めると自律神経が整うのです。

とても眠くなりました。
気づかないうちに、疲れていたのですね〜
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2011年08月07日

ふんばろう東日本支援

昨日は、ふんばろう東日本支援プロジェクトの
臨床ケア部門ミーティングに参加できました。

いろいろな形で健康に関わっている方が、
40名前後、集まりました。
被災地に何度も行っている方もいて、すごいです。

西條先生の仕切りがすばらしく、
facebookでお話ししたことが何回かある程度で
全員と初対面だったのですが
居心地のいい居場所感がありました。
不思議なことです。


今日は、エンタメ班の方に写真や絵の葉書を送ったり、
以前から予定のあった「創る心講座」をしたりして過ごしました。

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2011年08月02日

PTSDとそのケアの基本


震災支援ボランティアさんに向けて、PTSDについて書きます。

参考にした文献はこちらです。

小西聖子・伊藤晋二2003犯罪心理学 武蔵野大学通信教育部
小西聖子 2006 犯罪被害者の心の傷(増補新版) 白水社



1.トラウマとPTSD
強い恐怖を伴う、危うく死ぬまたは重傷を負うようなトラウマティックな出来事を
体験すると、多くが急性ストレス障害(ASD)となります。
再体験、回避、覚醒亢進の症状が1ヵ月以上持続した時には
外傷後ストレス障害(PTSD)と診断されます。

(1)  再体験
その出来事の記憶、思考、イメージ、皮膚の感覚や痛みなどが、
自分の中に勝手に思い出されてきて再体験されます。
一連のイメージが勝手に思い浮かんできて止めることができないことがあります。

(2) 回避・麻痺
出来事と関連した思考、感情または会話を回避しようとし、
出来事を想起させる場所や人物を避けようとします。
重要な活動へ参加できない、感情の範囲の縮小、などの症状があります。

(3) 過剰覚醒
以前にはなかったような覚醒亢進症状が続き、入眠または睡眠維持が困難になる
場合があります。物音などに敏感になる、怒りが爆発する、
集中困難や過度の警戒心を持つ、過剰な驚愕反応が起こるなどの症状があります。 

多くの災害後の調査でPTSDの率は一割程度です。

2.  PTSDのケア
 事件・事故・災害によって突然家族を失った場合、
深い悲嘆の感情に加えて、世界がそれまでのように
安全で信頼できるものではないと感じられます。
また、自分に悪い部分があったり、不注意によって起きたと、
自分を責める気持ちを持っている場合が多くみられます。

 自律神経系、内分泌系(ホルモン)、免疫系に反応が起きて、
不快な症状が現れていても、これは異常な状態での
身体の正常な反応であることを伝え、
心配を減らせるようにすることが大切です。

 そして、深刻な内容の話でも話をさえぎらずに聴きます。
感情を出せる場として、罪責感のような感情も批判せずに
そのまま受け入れるようにします。
自責感を軽減するよう気をつけて聴きます。

 睡眠障害や不安症状に対しては薬物療法も有効です。専門医の診察により
適切な薬物を使用できるよう、支援することが大切です。

 カウンセリングなり治療なりが支援できるのは、
失われたものを失われたものとして受け入れていくということです。
穏やかに悲しむことができるようになることを目指すといってもよいです。
 
3.  支援する者のケア
 被害者の話を聞くのは、多くの人にとってつらい体験であり、どう対応したらいいのか、
困惑させられるものです。
 深刻な喪失体験を扱うカウンセリングは、カウンセラー自身にも「生きていることの意味」を
深く考えさせます。
 またその意味を考えもせずにいては、聞くことさえむずかしくなってきます。
そして、無力感と自責感を感じ、話を聞く側も傷つくことがあります。


 相談者は、世界が信頼できなくなっているから、たいへんな不安をかかえて来訪しており、
カウンセラーの立場は非常に強いものとなります。このため、言動に注意を払う必要があります。
カウンセラーが自分の技術に不安があると、その場の状況の認知を歪ませる結果となります。

 結果を急いだり、相談者の自己評価をさらに下げたりしないように、
カウンセラーは自分自身の感情についても敏感である必要があります。
相談者が自分で決めることができること、自分でコントロールすることを取り戻してもらえるように
することが大切であり、カウンセラーへの依存が起きないようにすることが大切です。

 回復には非常に時間がかかり、被害者の苦痛や怒りなどの強い気持ちに長い時間さらされると、
あせりを感じたり、感情的枯渇が起こることもあるために、
スーパーバイザー(専門知識のある相談相手)が必要です。

 強烈な体験、感情を受け取り、それに共感する仕事は、ケアをする人自身の
メンタルヘルスが重要です。警察官、消防官、医師、看護師も同様です。

 ケアする人が自分の気持ちを話せるような、
自分のチームやサポート環境を持っている必要があります。

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2011年01月28日

手袋を買いに

ume1.jpg
上野に梅が咲いていました。

手荒れのお話しです。
手をたくさん洗う必要があるお仕事の人は、
ひどく荒れて、いったん割れてしまうと、
皮膚のバリア機能が回復するには何年もかかったりします。
とにかく水を使わない時間にケアして手袋して眠るしかありません。

行きつけの美容院の担当さんは、
12月の指名が196名だったという30歳台前半の方です。
そして手の皮膚が何箇所も割れています。
アシスタント時代はそんなこと無かったから、
水分が肌から減っているんだなあと思う、と言っていました。

私も病院に勤めていたとき、そういう時期があったから、
その痛さと治らなさがよくわかります。

一気に治せる魔法の手袋があったらなあ、と思います。
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2011年01月09日

腎臓病

腎臓病がテーマの講演を聴いてきました。

尿が腎臓で作られるとき、まず糸球体でろ過されます。
糸球体は微細な血管が球状になっている部分のことで、
片腎に100万個あります。

糸球体には50mmHgの圧力が加わっています。
原尿は1分間に約100mlだから、1日で144Lです。
これが尿細管で再吸収されて1日尿量は1.4L程度となります。
腎臓はとても働き者の臓器です。

腎臓では昇圧ホルモン(レニン)を分泌して血圧のコントロールも行っています。
さらに血液の酸素濃度を感知して造血ホルモン(エリスロポエチン)を産生して
貧血をコントロールしています。

透析患者数は2010年には世界で210万人、日本で30万人です。

2002年に米国でアルブミン尿・蛋白尿や腎機能低下が3ヶ月以上継続する場合は
慢性腎臓病(CKD)と診断することが提唱され、
その後日本人のための推算糸球体濾過量(eGFR)計算式を作成し調査した結果、
日本人の慢性腎臓病(CKD)患者は、1350万人(人口の11.2%)でした。
とても多いです。

自覚症状が無いため、検診で尿タンパク測定し、
早期発見・早期治療することが大切です。

また、高血圧や糖尿病により血管の状況が悪くなるため、
糸球体にも悪影響があります。

腎臓を長持ちさせるには、
高血圧や糖尿病の治療が不可欠です。

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2010年12月23日

お茶会

binya12231.jpg
恵比寿の備屋珈琲店のWEST ROOMで、お茶会。

時任悟氏のお茶会に参加させて頂きました。
http://ameblo.jp/satorutokito/

時任氏はビジネスコンサルタントですが、
参加者には心理系が多いです。

自分をもてなして自分のストレスを消すこと、

許すこと、

自分の天才性の責任をとること、、、

そんなことをゆるやかに話し合いました。
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2010年09月24日

ディスチミア親和型うつ病

me09241.jpg
双葉になりました。
いくつかは別に植え、いくつかはそのまま食べました。フレッシュでおいしかったです。

従来のうつ病とは違った概念のうつ病についてのお話です。

「メランコリー親和型」と呼ばれる古典的なうつ病は、自分を責める傾向が強く、
自分から話すことも苦痛になります。

「ディスチミア親和型うつ病」では、自分を守る傾向が強く
、他人のために自分はボロボロにされた、という主張をするのが通例で、
自分の不満を話すことは、全く苦にはならずむしろ饒舌になります。
ディスチミア(dysthymia )と言う言葉には、「不機嫌」「活力に乏しい」という意味があります。

このうつ病の背景には、社会の規範が薄い状態の中で成長した個人に、
結果として非常に傷つき易い、脆弱な自己が形成され、それでいて、
執着する相手は、自分自身しかいない、ということがあるようです。

拠り所は自分しかないのに、その自分というものは、何か捉え処のない、
もやもやとした曖昧な存在で、自分には何でも出来る、という意識はあるのですが、
それでは何が出来るのかと考えれば考えるほど、
自己のあやふやさを感じ、そのことが不安になり、引きこもってしまうのです。

自分の役割感が希薄だからつらい、という感じですね。

この概念は、新鮮です。

なぜなら、むしろ、それぞれの人の役割を見出すことを得意としているからです。

みなさまの周りでは、いかがでしょうか。
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2010年04月25日

安心

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縁あって私も、シータヒーリング・プラクティショナーになることができました。
多くの支えてくださっている方々、どうもありがとうございます。

クラスを通じて、たくさんの思い込みと制限を取り除くことができて、ハッピーです。
すてきな出会いに感謝します。

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2010年04月04日

チベットのモーツァルト

insyo21.jpg
春のごちそう、その2(その1とセット)、上野、韻松亭です。

中沢新一氏の「チベットのモーツァルト」、面白いです。
医学の本の中で、チベット医学に興味があって、
それがこのような形で出会えるとは・・・感謝します。

生命はこの宇宙をも超えたところからつながっています、きっと。

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2010年03月31日

命輝く医療

sakura331.jpg
上野の桜です。

命輝く医療とは
http://shiningearth.jp/shining-life/purpose/index.html

終わってしまったシンポジウムですが、
ホームページが面白いのでリンクしました。

長い間思っていたことが、やっと形になりそう。

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2010年03月26日

黄色

sakura03222.jpg

太陽の光は黄色です。恒星の色は表面温度によります。

表面温度2万K:青白:リゲル、スピカ
表面温度1万K:白:シリウス、ベガ
表面温度7000K:薄黄:カノープス、プロキオン
表面温度6000K:黄:太陽
表面温度4000K:だいだい:アルデバラン、アークツルス
表面温度3000K:赤:アンタレス、ベテルギウス

シリウスに惑星があったら、
その惑星からは白い太陽(にあたる恒星)を見て暮します。

どんな生物がいるのでしょう。


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2009年11月09日

内部被曝の脅威

ki10231.jpg

内部被曝の危険性がしだいに明らかになり、「内部被曝の脅威」という本が2005年に発行されました。

http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480062413/

著者である肥田氏は広島で自ら被曝し、長年にわたって被曝者の臨床を続けてこられた医師です。
鎌仲氏は、ドキュメンタリー作家で、映画「ヒバクシャ」は様々な賞を受賞しました。
鎌仲氏はイラクの子供たちに白血病や癌が増えていることを取材した後、肥田医師に出会い、その原因が内部被曝にあることを示唆され、原爆が落ちなくても被曝者が生まれることを知りました。

イラクでは1991年の湾岸戦争で劣化ウラン弾が使われました。天然ウランから濃縮ウランを作る過程で出てくるウラン238が劣化ウランです。

劣化ウラン弾は戦車の装甲にぶつかった衝撃と摩擦熱で3000-4000℃の高熱を出し、戦車内に侵入すると激しく燃えます。対戦車攻撃に有効な武器ですが、燃焼時に金属がエアロゾル、気体となって拡散して人体に取り込まれます。

内部被曝とは、放射線物質を体内にとりこみ、長時間にわたって身体の内部から放射線を浴びることです。

放射線のうち、ガンマ線は貫通力が強く、体外からの被曝の主役です。アルファ線は0.1mmしか飛ばず、貫通力は弱く、ベータ線の飛距離は約1cm、貫通力はガンマ線とアルファ線の中間です。

微量の放射性物質でも体内に取り込まれ組織に沈着してアルファ線ベータ線を長時間放射し続けたら、DNAを損傷させ続けることになります。
体内にあるアルファ線ベータ線は測定するのが困難であるために、長く問題視されてきませんでした。

肥田医師は原爆より後に市内に入っただけで原爆病を発病し死亡した症例、また被曝後長年経過しても被曝者を苦しめる後遺症「原爆ぶらぶら病」(抵抗力が弱く疲れやすいといった自覚症状を持つが検査では異常がない)を経験して、外部被曝以外の問題に気付いていました。

アメリカ人医師も、核実験に動員された米兵の診療などから、核実験、原発事故などで、空中、水中に放出された低線量放射線による内部被曝の被害の危険性、有害性に気付きました。
いったん汚染された大地と水を浄化する技術はいまだ開発されておらず、住民は影響を受け続けています。

1950年から89年の40年間にアメリカ人女性(白人)の乳癌死亡者が2倍になったことが発表され、死亡者が増加している群と原子炉の距離に相関関係があることが発見されました。
増加したのは原子炉から100マイル以内にある群だったのですが、日本では52基ある原発を中心にして100マイル以内の円に日本全土がすっぽりと入ります。

内部被曝の人体に与える影響がはっきりと分かっていたら、原爆も、核弾頭の製造競争が繰り広げられた東西冷戦も、そして平和利用といわれている原子力発電も存在しなかったかもしれない、と鎌仲氏は言います。

原子力エネルギーに替わる自然エネルギーの利用技術の開発が大切であること、劣化ウランを利用した兵器の使用を直ちに廃絶することの重要性を学びました。

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2009年10月05日

漢方

hana31.jpg
石垣の隙間に、いろいろな植物が共生しています。

漢方薬の勉強会に行きました。
漢方とは中国伝統医学を基礎に、日本において発展した伝統医学です。

生薬を煎じて服用するのが基本ですが、
最近は煎じたものを顆粒状にしたエキス剤が多いです。
煎じる手間が不要ですから。

主催した会社では、
生薬原料の8割が中国からの輸入ということです。

甘草は多くのエキス剤に配合されていますが、
これは種をまいてから収穫までに10年かかるそうです。
今はまだ栽培は少なく、自生地から採取しています。

根が深いところまで張っているので、
1本採るのにだいたい2mくらい堀り、
現地の人は1本で数円の収入ということです。

最近では栽培計画があって、
中国では栽培を開始しています。
他の候補地は日本国内では夕張など、
海外ではラオスということです。
ラオスでは1000円で1ヶ月生活できるそうです。
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2009年09月29日

エピゲノム

遺伝情報(ゲノム)は遺伝子に記録されています。
遺伝子はDNAとヒストンタンパク質の複合体であるクロマチンを単位として、
発現が制御されています。

DNA塩基配列以外の、(1)DNAのメチル化と(2)ヒストンの修飾で維持・伝達される遺伝情報は
エピゲノムと呼ばれています。これは受精卵でほぼリセットされ、
生まれた後に環境や生活習慣によって書き換えられていきます。

生活習慣が、ある時、エピゲノムの変化をもたらすと、
それが体質や病気として定着するということです。

例えば糖尿病を食事で治せる場合があるのは、
エピゲノムの変化は、また戻せるからであることがわかってきました。
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2009年09月17日

共鳴

t091311.JPG
友人の家のごちそうの一部です。
プロフェッショナルまぐろ仲買人、藤田浩毅の店で買ったそうです。
また、日本酒は名古屋の醸し人九平次の店のものでした。
築地が近いから、他に生たこのサラダとか、
新鮮なエビのパエリアなどでした。ごちそうさまでした。


今日の話題は、片山洋次郎氏の「整体から見る気と身体」、
「整体。共鳴から始まる」です。
どちらも内容が濃いのですが、そのごく一部を引用します。

『例えば、親が子を見る場合、この子はこういういいところがあるとか、
悪いところがあるとみていくとしますね。
いいところがあるというのを強くみたとしても、
悪いところがあるというのを強くみたとしても、
両方とも子供にとっては負担なんですね。
面白い子だとみた場合には、子供の方はそんなに負担じゃないと思うんです。
親も楽です。
こういういいところがあるといえば、
そのように子供はならなければいけないし、
親もそういうふうにしようと思ってしまうし、
ある種の期待をかけてこういう人間になってもらいたいという価値観が生まれる。
だけど、面白い子だというふうに思った場合は、お互いに楽で、
そういう意味では健康なんだと思います。』
片山洋次郎「整体から見る気と身体」ちくま文庫、2006、より引用


『自分のエネルギーを余すところなく発揮できているほど、
より充分に生きているといえるが、
バランスをとるのはより難しくなる。
ただ楽になるのでなく、「おもしろ苦しい」のである。』

『一神教的な世界観よりも、アイヌの世界のような人と多様な神々が
同じ世界に生きているような、先住民の森の世界のほうが
これからの世界には似合う。
先住民(主に狩猟採集民)の世界観が注目されるのは、
環境的な視点からのみではなく、
むしろ巨大なシステムの森が、
有機的自己生長をしようとしているからではないかと思う。
ピラミッド型(トゥリー型)の単一システムとして構造把握することが
不可能な「原始の森」へと成長しようとしているので、
近代を主導した砂漠の宗教としての一神教的世界観よりも、
アニミズム的世界観により親近感があるのだ。
農耕・牧畜社会から始まった所有・欲望・執着の世界から、
非所有・共鳴の世界への過渡期ということになるだろう。
 それは身体のもつ多様性そのものでもある。
大脳的というよりは身体的であり、
単一言語的というよりは多言語的、多民族的であり、
身体の多様な可能性の開示である。
また個が世界に組織を通してコミットするのではなく、
個が直接にコミットするということでもある。
多様な個による共鳴的世界像である。
システムとシステムの共鳴による超システムの創造ということになるだろうか。
そのようなシステムは植物的世界=森になっているばずである。』
片山洋次郎著「整体。共鳴から始まる」ちくま文庫、2007、より引用

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2009年09月10日

和解

いちょう1.JPG
茗荷谷の占春園のいちょうです。

再び、森山公夫著「統合失調症」ちくま新書、2002からの引用です。
「迫害妄想」と「支配妄想」を含めた「関係妄想」を軸に、
統合失調症の経過を重視し、
迫害妄想病の人間学的構築を行っています。
迫害妄想型の展開は、「対人/社会恐怖様期」、
「幻覚・妄想期」、「夢幻様状態期」の3段階で示すことができ、
これを身・心・社会の視点から、患者の背負う人間的苦悩が
深化してゆく過程と捉えています。

(引用以下)

・対人/社会恐怖様段階
 軽症対人恐怖である赤面恐怖は、対人緊張の延長上で、
赤面・ふるえ・動悸などの身体的表出異常の出現に怯える、
「人前で羞恥することを恐怖する」状態で、
見方を変えればこれは「予期恐怖」である。
「予期」は想像力の産物で、この出現で現実感覚は蝕まれ、
一般人の一過性の赤面恐怖が持続的な神経症性の赤面恐怖に転化する。
 中等症対人恐怖では、予期恐怖の場がより拡がり、
身体が萎縮・硬化して、「人に見られ嫌われ軽蔑される」という
意識が強まる。内面の怯えや萎縮感はふかまり、
世間とまじわれない自分に他人との異質感をつよめ、孤立感が深まる。
軽い不眠が常態化し、生のリズムもきしんでくる。
 さらに不信がふかまり重症対人恐怖となると、非常識な行為に走る。

・迫害的幻覚・妄想期
 重症対人恐怖の被害関係念慮のきわみで迫害妄想が始まる。
「行く先々で皆が自分をジロジロ白い目で見、ひそひそ悪口を言う」
という状況依存的な妄想様観念(被害関係念慮)から、
「組織が自分を狙っている」という(真性)妄想へと移行する。
 孤立の中で自分が世間から疎外されていくという確信を深め、
その突端で、出来事をきっかけに、またはある精神状態や追想錯誤に
もとづいて、想像力によるひらめきとして迫害妄想が形成され、
それで「目から鱗が落ちたように」物事の諸関連が明らかになったと
当人は感じる。
自分を狙っている「組織」の出現により、
患者の生きる世界は決定的に相貌を変える。
「世間(共同世界)への恐怖」が「迫害され付け狙われる」に変化する。
あらゆる感覚が「迫害」に対して動員され、過敏になる。
身体はこうして、つねに過敏で、緊張し、怯えていて、
硬くぎこちない身体となる。この絶えざる緊張の中で心身は、
休むことも眠ることもできず、いつも「過労」の中にある。
この過労と、過敏・緊張・不眠とが悪循環をなして
生のリズムは崩壊し、迫害妄想の身体化を引き起こす。

・夢幻様段階
 睡眠障害が極まり、ほとんど一睡もできない「完全不眠」に入る。
患者の現実への見当識は失われ、共同性は解体して
その言動は支離滅裂となり、いわゆる意識障害の状態を呈する。

・治癒
 私は、精神病の治癒の機転を「和解」ということに求めている。
世界との和解、および自己自身との和解の中で、
病からの真の回復が生起するということである。
統合失調症の「慢性化」、つまり関係妄想症の「慢性化」は、
実は患者さんたちにとっての人生途上の挫折体験と、
それに引き続くさまざまな悪状況の中で
心的な悪循環が形成されることに起因する。
「脳内物質の異常」は、その事態の反映に他ならない。
そして、彼らの社会参加、その和解に必要なことは、
医療スタッフや家族・友人をはじめとする周囲からの支援の中で、
彼ら自身が過去の挫折体験の呪縛から解放されてゆくことと同時に、
社会自体が彼らを受け入れうる柔らかい社会へと変わってゆくことの
両方にあることをここに改めて強調しておく。


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2009年08月30日

ゆっくりていねいにつながりたい

午後の光1.JPG

今回の記事は、森山公夫著「統合失調症」ちくま新書、2002からの引用です。

人間の感覚は、特殊感覚(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、平行感覚)、
体性感覚(広義の触覚、運動感覚)、内臓感覚(臓器感覚、内臓痛覚)
に分けられる。
これらが統合的に機能し共通感覚と呼ばれるものを形作っている。
各人の属している共同体で「リズムとメロディ」の共有をくりかえし
経験しながら育つときに、人の自然な共通感覚は共有され、
常識が成立する。
常識のゆらぎは当然このリズムのゆらぎであり、
「いま・ここ」に生きることのゆらぎであり、
緊張と弛緩をめぐる24時間リズムのゆらぎでもある。

共同体動物として生きる人間は、
どこか反世俗の屈折をもたざるをえず、
その鬱屈は多かれ少なかれ狂狷として人に内在し、
精神的危機においては爆発を呼ぶことになる。
狂狷の狷とは世俗に背をむけ頑固に自分をつらぬくことで、
狂とは同じく世俗に背をむけて熱狂的に活動することである。
この狂狷の二面性にこそ人生最大の秘密がひそみ、
それは一方で人生のさまざまな面での創造性にかかわり、
他方では狂気という人生最大の悲劇にかかわる。

狂狷から狂気発病に至る鍵は「孤独」である。
孤独は人生に不可欠で、
個体をして個人に覚醒させる一切価値の源泉である。
しかし孤独が窮まるとき、人は狂い、一切価値の崩壊が起きる。
社会に立っても、家庭にあっても孤独である状態は孤独のきわみで
「絶対的孤立」である。社会ないし家庭のどちらか一方のみでの
孤立である「相対的孤立」はほとんどの人々が経験するが、
絶対的孤立まで至ることは少なく、この恐怖の中で人は狂気に至る。
不安と緊張、不眠により24時間リズムが崩壊する。
絶対的孤立と24時間リズムの崩壊は相補的に進行し、
精神病の発病が始まる。
狂気は、孤立という人間の苦悩の極北的姿である。

宇宙系はリズム振動の場であり、銀河系宇宙の中の特殊系としての
生命系(有機体系)もまた、「リズムと共振性」を基本原理としている。
生命系に作用する共振性を共鳴性と呼ぶと、
人間にとって身体病をふくめた病気はすべて、
「リズムと共鳴性」の障害である。
医術(癒し)とは「自然治癒力」の援助であり、
「リズムと共鳴性」の回復への援助である。
いわゆる身体疾患と精神疾患とはその現れ方が異なり、
身体病においては「共鳴性」が、
精神病においては「共感性」が侵害されているといえる。
「リズムと共感性」の障害は、
不安・憂うつや陶酔・昂揚などの「気分」の障害をもたらす。
気分は生命と自然との「共感」であり、
気分失調(障害)があらゆる精神疾患の根底に存在する。

(引用以上)
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多様な価値観の情報があふれている現在、常識のゆらぎが生じ、
大人も子供も、社会(学校)や家庭で孤立を感じることが多くなっています。
共感をもてる人と関わること、
内在する狂狷のもつ創造性を表現すること、
身体と心の声を聴いて「いま・ここ」に生きること、
そのようなしなやかな身体と心を持つことが
いっそう大切になっていると思います。

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2009年03月25日

涅槃

黄色のお花.JPG

脳科学者が左脳の出血性脳卒中を経験し、論理的なことを全て、例えば数字の意味さえも忘れてしまった時に、生きているという喜びを感じ、生命がつながっているという涅槃の静やかな安らぎの境地を感じた、というドキュメンタリーを観ました。
その科学者は何年もかけてまた脳の回路が新生して回復したそうです。

右脳で生きている喜びを感じた、という部分に深く共感しました。というのは私は右脳人間だからです。

生物の知識もほとんど右脳で捉えていると思います。
たとえば、ミトコンドリアの内部にはクレブス回路(クエン酸回路)にかかわる酵素群などが含まれていて、内膜上には電子伝達系やATP合成にかかわる酵素群などが一定の配置で並んでいます。これらによって生命維持の基本的なエネルギーが作り出されます。
TCAサイクルや電子伝達系のことを思うと、細胞の中のミトコンドリアの膜に必要な酵素が並んでいて、電子を受け渡し、エネルギーを作って命がささえられているイメージを想像し、このような仕組みができた不思議さ、そして生きる仕組みは同じでありながら、世界中の生物が多様化してすばらしいことに感動せずにはいられません。
そしてたくさんの動植物をおいしくいただいていることへの感謝と喜びと殺生の矛盾した気持ちがあります。
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2009年03月09日

ドラッグ・ラグ

matsuzawa1.JPG

外国で認可されている新薬が日本での認可が遅いことは
何年も前から指摘されていて
改善するプロジェクトが動いているのに
なかなか早くなりません。
早くして欲しいという患者さんの集まりがありました。
医療現場でも厚生労働省でも現場はかなり必死です。
それでもゆっくりとしか進まないのはどうしてなのかしら。

より良い流れになりますように。

posted by たびのくま at 00:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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